冷蔵庫やお風呂など、家庭の身近なところで温度管理を行っている場面に出会いますが、温度管理は先端の技術の現場でも大きく活躍しています。
具体的には自動車や家電等のものづくりの組み立ておよび計測において温度管理が必要不可欠なのです。金属を含む物質は温度が変わると体積が変わります。
これを熱膨張や熱収縮などと呼んでいます。精密な部品を組み立てる際にわずかな膨張や収縮が起こってしまうと、ミクロン単位ではめあいを行っているためにうまくはまらなかったり、無理な力が部品にかかってしまい、製品の故障につながる恐れがあるのです。そのため物体の形状を一定に保つために部屋の温度や部品の温度を一定に管理するような工夫が現場では行われています。
計測においても同様です。物体の温度を計測条件に組み込む、つまり形状を何度の時に計測すると取り決めておくことで設計者の意図通りの形状にできているかを正しく確認することができます。設計図においても部品によっては計測の温度を明記する場合があります。温度管理は調理、入浴、保存、そしてものづくりと我々の生活の大部分に影響を与えているとても重要な内容です。物を少しでも長く保管したい等、人類のこれまでの生きる知恵の蓄積に他なりません。センサーが進化すればより繊細な管理、もしくはこれまでに計測できなかった環境での温度管理が可能となり我々の生活は劇的に変化する可能性を秘めています。その発展にアンテナを高くしておくことが生活をよりよくすることにつながるのです。