HACCPはアメリカで考えられた食品製造を、より安全に行うことができるように考えられた工程管理の手法の一つです。
大きな企業や食品工場の場合にはチームを編成し、12の手順とその中でも必要な7つの原則をもとに取り組んでいきます。製品の製造方法や製造工程一覧図の作成等を行う必要があるので、チームに選ばれた人だけでなく原材料を仕入れる人から製造工程に関わっている多くの従業員の協力が不可欠となっています。製造工程一覧図を作成したら実際の現場と異なる部分がないか、確認する作業も必要です。
HACCPを取り入れた企業にアンケートをとると、多くの従業員に衛生管理に対する意識が向上したと、感じる企業も少なくないようです。従来の抜き取り検査よりも厳格な管理手法となるので、製造した食品の返品や廃棄も減りロスが減る企業も多いようです。安全な管理のもとに自社の製品は作られているという、従業員の意識は社外に対しても自信を持ってアピールすることができるようになったと答える企業も増えてきています。
HACCPは一つひとつの工程を管理し記録していくので、クレームや不具合が起こった場合に対応も迅速にすることができ、再発の防止策にも一役買っています。クレームや不具合が減ったと答える企業は全体の30%を超えており、導入してよかったと答える企業がほとんどです。安全に製造する為の管理手法ではありますが、従業員の意識改革ややる気、自分の会社に対する自信にも大きく影響する手法となっています。