新型コロナウイルスの感染対策のために、飲食店やお店などの入口で来店者の体温を測定する様子を目にする機会が増えています。一般的な家庭用の体温計は接触式で温度を測定する方式ですが、赤外線式の温度センサーが組み込まれた体温計は皮膚に触れることなく非接触式で体温を測定することができるという特徴があります。赤外線式温度計センサーの仕組みですが、物体から空間に放射される赤外線のスペクトルを検知する構造になっています。絶対零度(-273.15℃)出ない限りは、原子や分子は熱エネルギーの影響で振動をしています。
温度が高くなると、原子・分子の振動が大きくなります。原子には電子が含まれていて、振動することで周囲の空間に電磁波を発生させます。原子が熱によって振動することで空間に放射される電磁波が赤外線です。ちなみに赤外線は光よりも波長が長い電磁波で、人間の目で見ることはできません。
温度によって振動の大きさが異なり、高温になると激しく分子が振動することで大量の赤外線を放射します。物体を構成する原子は全てが同じ程度に振動する訳ではなく、一定の分布が存在します。振動の分布に応じて異なる赤外線が放射され、温度に応じて波長のピークが変化することが知られています。空間に放出される赤外線のピーク波長を測定することで、物体の温度測定することが可能になります。
非接触式の温度計センサーは、空間に放射される赤外線のピーク波長を検知することで温度を知ることができます。赤外線式の温度計センサーは数秒で測定ができるので、短時間で体温測定が可能です。温度計のセンサーのことならこちら