昨今の日本では毎年7月~9月の間は酷暑と称されるほど、連日の気温が35度を超える猛暑日に見舞われます。これは地球温暖化現象が顕著にあらわれた1990年後半からであり、日本のみならず世界各国でも同様の現象となっています。我々人間が暑いと感じるのは単に気温が高いからだけでなく、周辺一帯の湿度も密接に関係しているのが特徴です。そのため気温を観測する際は温度計のみならず、湿度計による湿度の観測も必要といえます。
気象庁では1日に計6回の気温観測を実施しており、全国計450箇所に設置している温度計センサーから得た数値を公開しています。この温度計センサーは空港・港・主要都市の駅や山などさまざまに備えられており、定点地による観測となっているのが特徴です。気象庁が用いる温度計センサーは、赤外線を360度範囲に照射して約25m範囲の空気中に含まれる水蒸気から気温を割り出すことが可能です。水蒸気量で湿度の計算も同時におこなえることから、非常に効率良く正確な温度を割り出せる機器です。
1990年頃までは気象庁では、百葉箱というアナログ式の気象観測が主流でした。この手法では1回の観測に長い時間が掛かり、全国各地の詳細なデータを揃えるのも困難だった側面があります、現在の温度計センサーはネット回線でつながっており、逐一新しいデータが気象庁に届けられています。迅速に正確なデータを入手できることから、昨今の気象庁が発表する気温情報は精度の高い情報となって目にすることが可能となりました。