温度計選びで最も大事なのは、測定の精度と言うことができます。測定精度が低ければ、微妙な温度変化が分からなくなるからです。食品の衛生管理においては、繊細な温度管理が必要になり、微妙な温度変化にも対応することが重要になるわけです。たった1度の変化であっても、食品に及ぼす影響は多大なものがあります。
それらを見過ごしてしまうと、食中毒などの重大なトラブルを招きかねません。どんな精度の高い測定器にも誤差はありますが、それを最小限に抑えられるからポイントとなります。その点においては、デジタルタイプなどセンサーが付いていれば、正確な温度を測定できるわけです。食品の温度管理に関しては、扱う工場や倉庫の状況によっても異なります。
それでも±1度以内の精度があれば、通常の測定項目はクリアできます。センサーに関しても、その位の測定精度は確保されているものです。この位の精度となれば、かなり高額な温度計になります。研究用でもない限りは、もう少し精度の低いタイプでも支障はないものです。
また、高精度の温度計は耐久性が高くないのが一般的で、タフな現場での使用には適していません。食品衛生管理的には、センサーの2～3度程度の誤差は許容範囲だと言えます。現実問題としては、食品工場などで導入される温度計は、耐久性を優先して選択した方が良い面があります。但し日ごろのメンテナンスは大事で、正確に動作するかはチェックする必要があります。